音環境を理解するための10章 その2

2. 音環境を理解するための10章               萩原光男
~イントロダクション~

これから、こちらのホームページで、「音環境」についてのお話をすることになりました。
長いお付き合いになりそうですが、よろしくお願いします。

いろいろ、お話しすることは沢山あります。
日本人の好きな音環境とは、最高の音環境とは、音の無い環境とは、などなど。
ですが、やはり順を追ってお話しすることにしましょう。
今回は「音環境とは」について、音の環境にはどんな意味合いがあるのか、ということについてお話ししていきましょう。

一口に、環境、と言ってしまいますが、私達一人一人の個人を取り巻く環境には、人と人との環境、動物として生存に不可欠な大気の環境などがあります。
そして、これからお話ししようとする、音の環境は聴覚に関するものですが、これは視覚の環境とともに、私達、ヒト、が意図せずに影響を受けてしまっている、外乱、つまり、心を乱す、或いはヒトを天国のような快い世界に誘うものです。
こうした環境のメンタルへの影響は、欧米では昔から研究されてきました。
19世期頃、ある貴族が、明るさや暗さが聴覚に与える影響を調べた論文があるくらいです。
日本人は兎角、温度・明度・音などが感覚に与える影響を気分とか我慢など、精神の鍛練で解決しようとしますが、欧米人は、そう言った、人体生理への影響を科学して、心理学で解決しようとします。
彼らはそれらを建築や工学で対応して、ものづくりに於いて、特徴ある製品にしてしまうのも得意です。
そうした、人体生理への環境からの影響を商品に結びつけたりもしているのです。

これからお話しする、音環境では、例えばこんなことをお話ししてみようかと考えています。
*日本人と欧米人で異なる音感覚と、その根拠
*無音とヒトの感覚
*「静けさ」は知的活動を停止させるかもしれない
*最高に良い音の響きとは、

そんなステキなお話にお付き合いください。
次回から、10項目を説明したいと思います。