静けさと音 その3

武蔵御嶽神社で究極の静けさを味わう

日の出山から御岳山を望む

青梅音めぐりの二回目です。
究極の静けさを青梅市御岳山にある、武蔵御嶽神社を訪ねましよう。

◎アクセスと散策ガイド

武蔵御嶽神社は、青梅線の青梅で奥多摩行きに乗り換え7つ目の御嶽でバスに乗り換え10分ほどでケーブルカー乗り場につき、ケーブルカーで御岳山駅に着きます。
そこから御嶽神社までのほぼ1kmの参道は平坦で、正に空中回廊です。
しばらく杉木立を歩きます。やがて御嶽神社関係者の住む集落をとおり、参道商店街に着きます。
ケーブルカーを降り立ってからの道は、車がようやく通れるほどの舗装道路で、軽自動車しか走れません。

今回も、青梅商工会議所の会誌、newsおうめNO410からの記事で味わいましょう。内容は2011年当時のものになります。


◎日本のマチュピチュ御岳山

御嶽神社と御岳山商店街は空から見ても、ペルーの空中都市マチュピチュに似ています。
この門前町全体が山頂にあるため、特に武蔵御嶽神社の境内では、山頂の鋭い剣が峰に立ったような静けさが味わえて格別です。
あたかも無響室にいるような耳を圧迫する静寂とサワサワと耳元を過ぎる、風というより空気の流れが感じられます。

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車がようやく通れるほどの舗装道路を歩いていくと、自分の靴音のほかにホトホトと流れる水の音が聞こえてきました。宿坊からの生活用水が道路下の用水路に流れ込む音です。

道路面の50㎝角ほどの鉄格子の開口部を通して聞こえます。静寂だからこそ気づく水の音。一定でない水量がシンコペーションやクレッシェンドして奏でています。

御岳山の静けさを作る山なみ

萩原光男