現状報告、日本のジャズ! 第3回 ジャズ・ジャーナリズム、ジャズ喫茶

現在、ジャズがちょっとしたブームです。
近年の巷でのジャズと、ジャズジャーナリズムについて書いてみたいと思います。

1.近年のジャズをめぐる状況

このところ伝統的な音楽(クラシック音楽やジャズ)は安定期に入っているように見えます。
若い人に人気のあるヒップホップやロックなどは人気が流動的ですが、上記のような音楽は筆者のような中高年がサポートしていて、生活というか人生の中に組み込まれているように思います。
特にジャズに関しては何やら静かなブームを感じます。

巷でのジャズ人気の特徴はジャズ喫茶にあるように思います。
ファッションとしてのジャズといった感があり、一時さびれていたジャズ喫茶ですが、人気のある店はインバウンドで外国人にも需要があり名所となっているようです。時間帯によっては行列もできています。

人気のあるジャズ喫茶の特徴は、
*インバウンドの観光名所化していること
*若い人のお洒落なデートスポット化
*常連がプライベートな時間を過ごすための空間として、生活の中に組み込まれている
といったところでしようか。ジャズ・イコール・お洒落な、という感覚です。

2.創刊ジャズ雑誌「Jaz. in」の貢献 ♫ 伝統と時代性を担う編集長の存在♫

「Jaz. in」(ジャズイン)という雑誌が2023年10月24日に創刊されました。
芸術における雑誌の役割は非常に大きく、文学や美術においても雑誌自体が時代を反映した芸術そのものである場合もあります。
「Jaz. in」はまさにそう言った役割を担っていて、時宜を得て登場したと言えるでしょう。特集されるジャズレーベルやアーティストはこの雑誌によって輝きを増していきます。

この雑誌はジャズ雑誌の伝統と現代性を表現しているわけですが、編集長佐藤俊太郎氏がその全てです。
ジャズの黄金時代の雑誌といえば「スイングジャーナル」。彼はこの雑誌社に入社し、休刊になった後はスイングジャーナルの流れを引き継ぐ「JAZZ JAPAN」で副編集長を務めました。その後「JAZZ JAPAN」が編集長の急逝もあって発行終了になり、佐藤俊太郎編集長が後を引き継ぐかたちで「Jaz. in」を創刊しました。

各雑誌の編集長がその時代のジャズジャーナリズムの代表であったように、佐藤氏もラジオ番組への出演やジャズ関連のトークイベントへの登場など、ジャズジャーナリズムの第一人者として活躍しています。
また、彼はジャズピアノを弾くアーティストでもあります。1971年生まれの氏はまさに、伝統と現代性を語るにふさわしいと言えるでしょう。

3.あとがき

・日本人のジャズ好き

守屋純子の著書「なぜ牛丼屋でジャズがかかっているの?」
日本人唯一のセロニアス・モンク作曲賞受賞者である著者が、こんな本を書いて日本人のジャズ好きにアプローチしています。

牛丼屋だけでなく、カフェ、定食屋、そば屋、居酒屋、クリーニング屋にまでジャズがかかっていて、来日したジャズミュージシャンは「日本は本当にジャズが盛んな国なんだね!」と言います。
ジャズ喫茶というのも日本独特のものですね。会話禁止のジャズ喫茶で黙々とジャズを聴く日本人。ちょっとおかしいですけど、それが日本人なんですね。

・ジャズのイメージ
いろんな音楽の流行り廃りがありますが、ジャズはある時期から一定した人気があるように思います。
ジャズといえば、アドリブと言われる即興演奏にみられるように、フリーな雰囲気、それと日本人の好きな少し暗めなブルーノートの音階が特徴ですね。
ネットで検索すると上記に加えて、「おしゃれで大人な雰囲気」「都会的」「夜」などが出てきます。

演奏者の個性や感情が豊かに表現され、聴く人にリラックス感や知的な刺激を与えますが、一方で、恋愛に伴う色めいた雰囲気や寂寥感は魅力です。

若さで青春を走り抜けたあと、少しお酒も飲んで、雰囲気の良い喫茶店やバーでアーバンな大人の時間を過ごすのにジャズは似合っています。人の出会いや別れの思いを演出する、それがジャズミュージックでしょうか。

萩原光男