モノの味わい・音の味わいと作り込み その2

前回に続いて、「モノの味わい・音の作り込み」の世界を東京ブラインドの製品も交えてお話ししていきましょう。ウルトラスエード(※)という高級内装生地を使った、吸音パネルのお話です。
ウルトラスエードを音の世界で表すと、最高の音と言われるウィーン・ムジークフェラインザールでしょうか。滑らかで、聴く者を優しく包み込む感覚です。

今回の音楽 「美しき青きドナウ」
「美しき青きドナウ」は、ウィーン・ムジークフェラインザールで毎年行われるニューイヤーコンサートにおいて、1997年にイタリアの指揮者リッカルド・ムーティーによって演奏されています(写真はウィーンの王宮でのバレエ)。

・最先端技術が創っていく、新しい音環境

今回はエクセーヌ(※)という繊維に注目してみましょう。
このハイテク素材は高級車の内装や衣料品、家具やインテリアに使われており、東京ブラインドはその上質な素材を使った吸音パネルを開発しました。
(注: 現在、エクセーヌは日本ではウルトラスエードというネーミングで使われています。文末の「解説」を参照してください)

エクセーヌは1970年に日本メーカーが開発した、髪の毛400分の一の太さの極細繊維です。当時としては最先端の素材で、そのスエード調の人口皮革はブランド名としてエクセーヌとネーミングされました。
この極細繊維を織った布は、開発当初から繊細な肌触りで高級感があると評判でしたが、用途が見つからず価格も高価でした。

この素材が普及し始めたのは1980年代に入ってからで、その優れた品位を高く評価したのはヨーロッパ人でした。イタリアの繊維メーカーが目をつけて現地生産し、イタリアの高級車の座席シートに採用されたのがきっかけです。
ヨーロッパ人と日本人が求めるものの違いを感じさせられますが、日本人にはこの素材の高級感は評価できなかったのです。ヨーロッパで認められたことで、日本国内での評価も高まったのでした。

エクセーヌはランチア、ベンツ、BMWなどのシートにも採用されていきました。通常の本革スエードや合成皮革と比較して扱いやすく、品位も高いことから、高品位車の内装材として次第に認知されるようになったのです。

ここで、車の内装材のランクを整理してみます。
最上位は本皮革やバックスキンなどの天然素材です。次に来るのはエクセーヌやスエード、その次に人口皮革、羊毛などのモケットと続きます。

音という視点で見ると、一般的にモケットと呼ばれる布はザラっとした荒い音の雰囲気ですが、エクセーヌは極細繊維によるしっとりとした肌触りの効果で高級な音環境が創出できます。

エクセーヌ(ウルトラスエード)を使った東京ブラインドの吸音パネルは、エクセーヌの使われている高級車と同じ質感の音環境を実現できると言えます。

東京ブラインドでは、常に新しい高品位の音環境を創ることを考えており、こうした異分野の素材にもアンテナを貼っています。

エクセーヌ以降、素材の世界では繊維の細さが一桁ずつぐらい進化したものが約10年毎に開発されています。そうした新素材が価格的に折り合いつくようになると、また新しい音環境の世界を提供できるようになっていきます。

萩原光男

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・解説(ウルトラスエードについて)
上記の本文のように、1970年に極細繊維の人口皮革エクセーヌが開発されましたが、開発された1970年にアメリカでネーミングされたのがウルトラスエードでした。
2002年からは自動車用途の製品をアルカンターラとしていましたが、2013年からは日本の技術による多彩な商品バリエーションを特徴とするウルトラスエード、機能性とイタリアの感性の融合を特徴とするアルカンターラとして、それぞれのアイデンティを明確に分けて展開するブランド戦略を取ってきました。

当初は車用としてはシートがメインでしたが、更に薄くし成形性を向上させた、インストルメンタルや天井にも使われています。
ウルトラスエードの更なる開発・高機能性への努力は続けられていて、光沢や質感を高め、デザインの幅を広くしています。

[ガズー編集部]より引用
GAZOO(ガズー)は、トヨタ自動車が運営するコンシュマー向け情報提供サービスです。
今回の技術解説は、下記のネット記事を参考にしています。
https://gazoo.com/column/daily/21/03/18/
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*…*東京ブラインドの製品紹介 *。…**

吸音パネル ウルトラスエードは、室内の反響音を抑えて快適な音環境を実現するとともに、高級感のある空間を演出。
優れた吸音効果と最先端の繊維技術が融合した製品です。

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